2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

球春を待て

社内でのあーでもない、こーでもないに疲れ切った、土曜出勤の帰り道。 寒さに肩を縮こまらせて、色んなことを耐え忍ぶようにぎゅっと小さくなりながら、風に逆らい、駅に向かおうとする。たまに私は、私と違う人間の考えが、どうも理解できない時がある。プ…

台風と印画紙

どの店も、この店もやってない。 シャッターのある店はシャッターを下ろしていて、シャッターのない店には光がない。 そしてたまに光っている看板があっても、それは行き場なく目に刺さり、明るさ以上に色々眩しい。大粒の雨と強い風の中、私は知らない繁華…

海に向かう

私はたまに海に向かいたくなる。 マリンスポーツをしたいわけでも、釣りをしたいわけでもないのに、あと海以外にも娯楽はあるのに、どうして海に向かいたくなるんだろうか。 今住んでいる横浜の町は、そこまですきじゃない。でも横浜は海があってすき。自転…

飛び交う町

私にはつかず離れずな友人がいて、物理的な距離はすこし遠いけれど、たまに憂鬱な時、相手をしてくれる。 この前も「今日なら通話できるよ」って言ってくれて、出張先のビジネスホテルから、私のしょうもない話に付き合ってくれた。18時半。私は職場を出て、…

雨が降る

雨が降る。 透明のビニール傘を開くと、ふと、20代の頃の恋人を思い出す。 昔の恋人、親戚に傘屋がいたりして、傘は勿論だけど、カバンだとか、文房具だとか、身の回りの持ち物にやたらこだわりのある人だった。でもふたりで池袋かどこかに出掛けてる途中、…

コタツと人魚

私は昨夜酒を飲み、そのままコタツで寝落ちをしてしまった。寝起きが少しワケの分からない事になっていた。まどろみの中、まず思い出したのが、住み込み時代にお世話になった、川口某所にあった寮の休憩室のコタツの記憶。 ココの休憩室は「川口まで来たけど…