2020-01-01から1年間の記事一覧

諏訪に行きたい

一時期、やさぐれると、ふらっと諏訪へ足を延ばしていた時期があった。程よい現実逃避にもなっていた。 コレは2013年の12月20日の午後3時半ごろ、撮った写真だ。 生まれて初めて諏訪湖のほとりに立った時、私は不思議と感動した。気温は日常の街と違う。木々…

しがない空中散歩の話

8月1x日 17:20 高松空港発 羽田空港行 JAL0484便、定刻どおりのテイク・オフ。 しかし問題は、Wi-Fiが無いことだ。仕方ない、窓でも見るか。 見下ろすと、うっすら標高の高い山と、瀬戸内の島々が見える。 この山はこんぴらさんかな、それとも「讃岐富士」こ…

安宿で重なる

朝起きて、「パシャパシャ」と顔を洗ってると、真横からは「ブィーン、ブィーン」と、小さな草刈機みたいな音がする。 隣に立つ人は、聞き慣れない音でヒゲを削っている。 軽く横を向く、目が合う。軽くやさしく、会釈し合う。 こういう朝の一コマ、すき。 …

山下清に憧れて

続くよ続く、残業の日々は続く。 通りを振り返ると、行き先が真っ赤な電球で囲われたバスがいた。 なんだ、最終バスか。そんな時間か。昨日から読み進めてる、晩年の山下清が書いた「遺作・東海道五十三次」って本が面白いな。 面白いというか、山下清の作品…

青空とオレンジ(天王町周辺にて)

何もない休日。私は近所に飛び出した。 斜め掛けバッグに読みかけの本とスマホを入れて、足指は少しだけヌード。家を出て、最寄り駅を背中に歩く。 さらに歩いて振り返ると、私の通勤路と最寄り駅とバス停が、白昼堂々、ひとつのフレームに収まってる。あま…

献血のエロス

(横浜西口の某献血ルームより) 献血ってエロいよなって思う。輸血/献血という行為を通して、私の肉体の中を流れる液体が、見知らぬ誰かの肉体の中に入っていく。そして、私の知らぬ所で、私の肉体を流れていた液体が、誰か血管/毛細血管と流れていき、全身…

くるり「東京」を聴きながら

月曜の朝、くるり「東京」を聴きながら会社に向かっていたら、無性に泣けてきた。イントロの静かなギターから、ドラム・ベースが入っていき「東京の街に出て来ました あい変らずわけの解らない事言ってます 恥ずかしい事ないように見えますか 駅でたまに昔の…

アレ食えよエクレア(回文)

高度なストレス社会。 普段はまあ、夕飯前の買い食いは控えるようにしてるんだけど、今日はちょっと心が沈んでるしと、仕事上がりにコンビニ寄って、エクレア買い食いした。美味い、しあわせ。 でもエクレア食べてると、一番後ろにクリームが押し寄せられて…

簡単なトリップのはなし

今年のゴールデンウイーク前。 どうせ新型コロナウィルスの影響で旅行に出られないのなら「家で旅行すればいいよ」だなんて、よくわからない事をつぶやいてしまった。いや、これにもすこしやり方はあって「自分の家をなるべく、嗅覚から変えていく」。 例え…

鎌倉探索のはなし(4)

ご無沙汰していた鎌倉探索シリーズの続編です。 鎌倉探索のはなし(1) - 伸縮する庭 鎌倉探索のはなし(2) - 伸縮する庭 鎌倉探索のはなし(3) - 伸縮する庭今回はお散歩フォーマットの軽い感じで書こうかなって思います。 この日は寒かったから、鎌倉の…

孤独感は、そこで

結局私は、孤独感のかたまりだと思う。いま現在は満たされてないわけでもないし、家庭もあって、友人も少ないなりにいて、職場での人間関係もあって、客観的に見れば、まあそこまで悪くは無いと思う。 けど、結局どこか、取り繕うように振舞ってしまうところ…

嘘みたいな距離感

土曜日の仕事帰り、夕暮れ時にはまだ早い。 野毛のはずれの大岡川沿いで、周りとの距離を測りながら、レモン味の缶チューハイを私に流し込む。すると、疲れと正比例した酔いが回りながら、トクントクンと何か覚醒していく感じで、私の中にシラフよりも鋭い私…

最果ての風と熱の名残り

F先生は私の憧れで、いつも涼しげ。風をまとっている人だった。先生は、遠い遠い「宮前区」って所から、家業の跡継ぎを捨てて、九州のはずれの海に囲まれた、最果ての町までやってきた。 川崎ナンバーの青いクルマに、段ボール詰め込んで、(県の正規の教員採…

雪が来てくれた

街が閉ざされた週末。でも今年のうちにもう一度、白い雪が見たかった。 こういう事態でもなければ、明け方から電車に乗って、私は雪を見に行くつもりだった。冬至から春分にかけての季節かな。 トロトロと遅い、各駅停車の横浜線で八王子まで行って、そこか…

球春を待て

社内でのあーでもない、こーでもないに疲れ切った、土曜出勤の帰り道。 寒さに肩を縮こまらせて、色んなことを耐え忍ぶようにぎゅっと小さくなりながら、風に逆らい、駅に向かおうとする。たまに私は、私と違う人間の考えが、どうも理解できない時がある。プ…

台風と印画紙

どの店も、この店もやってない。 シャッターのある店はシャッターを下ろしていて、シャッターのない店には光がない。 そしてたまに光っている看板があっても、それは行き場なく目に刺さり、明るさ以上に色々眩しい。大粒の雨と強い風の中、私は知らない繁華…

海に向かう

私はたまに海に向かいたくなる。 マリンスポーツをしたいわけでも、釣りをしたいわけでもないのに、あと海以外にも娯楽はあるのに、どうして海に向かいたくなるんだろうか。 今住んでいる横浜の町は、そこまですきじゃない。でも横浜は海があってすき。自転…

飛び交う町

私にはつかず離れずな友人がいて、物理的な距離はすこし遠いけれど、たまに憂鬱な時、相手をしてくれる。 この前も「今日なら通話できるよ」って言ってくれて、出張先のビジネスホテルから、私のしょうもない話に付き合ってくれた。18時半。私は職場を出て、…

雨が降る

雨が降る。 透明のビニール傘を開くと、ふと、20代の頃の恋人を思い出す。 昔の恋人、親戚に傘屋がいたりして、傘は勿論だけど、カバンだとか、文房具だとか、身の回りの持ち物にやたらこだわりのある人だった。でもふたりで池袋かどこかに出掛けてる途中、…

コタツと人魚

私は昨夜酒を飲み、そのままコタツで寝落ちをしてしまった。寝起きが少しワケの分からない事になっていた。まどろみの中、まず思い出したのが、住み込み時代にお世話になった、川口某所にあった寮の休憩室のコタツの記憶。 ココの休憩室は「川口まで来たけど…

女子寮での暮らし(ルームメイトAの思い出)

上京して結構な年月が経つけれど、20代半ばくらいまでは、都内の北の方から埼玉の南の方にかけて、転々と暮らしていた。 それには色んな事情があったけど、その中でも、昭和40年代に建てられた建物の中の一室、12畳部屋に3人暮らしという時は最高に酷かった…

酔うちょる(関内の立ち飲み屋より

って酔うてるな。 横浜市中区関内、某駅前の立ち飲み屋。 「9番大和推し」という会話に意識が流れる。耳がピクッとする。ベイスターズ好きなんだな。私もベイスターズすき。今永昇太さんすき。 私の背中あたりにいる、9番大和推しの会話をしていた人が、「ね…

私には何もない

いきなり唐突に書いてしまうけれど、私には何もない。 最低限「社会人」と偽れる程度のステータスはあるつもりだけれども、本当は社会人のコスプレだと思ってるし、社会では、社会人の「フリ」して会話をしているつもり。 でも、可愛い後輩が仕事に手を焼い…

鎌倉探索のはなし(3)

引き続き鎌倉探索のお話。 鎌倉探索の王道?の鶴岡八幡宮にやってきました。でも一応、鶴岡八幡宮の事は知ってるよ。鶴岡八幡宮、鎌倉幕府の三代将軍・源実朝が甥っ子の公暁に暗殺された場所って、むかし「マンガ 日本の歴史」で読んだ事あるな。 武家の者な…

鎌倉探索のはなし(2)

海蔵寺から、お次は英勝寺に向かいます。 歩きながら車道と反対側、岩肌の方を見ていると、サラっと謎の空間が現れた。一般人が簡単に迷い込めないようにと柵が張られている。 そしてコレはまた別の柵の向こう側。 なんだろう。メキシコでかつて栄えた超古代…

鎌倉探索のはなし(1)

先日、いつきさん主催の鎌倉〜江ノ島探索のオフ会に行ってきました。スタートは海蔵寺。 寺社仏閣巡り、普段の私があまり巡らない所なので、何を切り取っていこうか、全く定まらない。 お寺に向かおうとしているのに、植物がモワっと生えて、苔むして、絶対…