私には何もない

いきなり唐突に書いてしまうけれど、私には何もない。
最低限「社会人」と偽れる程度のステータスはあるつもりだけれども、本当は社会人のコスプレだと思ってるし、社会では、社会人の「フリ」して会話をしているつもり。
でも、可愛い後輩が仕事に手を焼いてると「も!」と思いながらも、そっと仕事のヒントを伝えるし、それが彼・彼女にとって身になるといいな。って思いながら、社内のサポート的な業務に精を出す。可愛いには逆らえない、そんな私。

でも本当にそれ以上は何もなくて、むしろ足りない部分が多くて、目の前にいる、すぐれてる人や満たされてる人達を見ては「ほしい!ほしい!」と羨ましがってる。




私には何もない。
いやゴメン嘘ついた。なりに色々感じる事は出来るし、私の中には私の世界がある。なのに、それを言葉にする能力が足りない。
ネットの世界にやってきて、「言葉に自信がないなら写真の力も借りればいいね」って、そんな感じで、すこし楽しくなってきた。
けど結局、私の世界はひとりぼっちの世界。

いくら美しいものをみても、感動する発見があっても、その感覚がどれだけ私以外の人に伝わるか。
本当はこの心のうねりごと、大きな波となって、皆を飲み込んでしまいたいと思う時がある。
どうせ海水も体液も似たような成分なら、私だって海になれるし、波にだってなれるんじゃないの?って、まあ実際には無理なんだけど、うん。
それに、そんだけ力があれば、私、こんな苦しんでない。



私にはこう、綺麗な日本語を扱う能力もないし、特にロジカルな考え方もできない。
何もない、無さすぎるから、頭の中をゆらんゆらんと揺らして、思いつく言葉を並べて、何かようわからん遊びをしてる。
それが意味のある遊びなのか、意味のない遊びなのかはわからない。

ただ吐き出す言葉たちが、それなりに読み物の形をなしてたらいいな。そんな理想は持ちながら、
ひとりぼっちはさびしいから、わかってもらえないのもさびしいから、みんな一緒に頭の中で遊ぼうよ。
ほら、みんなも頭の中を垂れ流しにして、脳汁交換してさ、たのしく踊ろう。
いま私、酔ってるのか酔ってないのか、よくわからない。ただほら、今の私はこの文字の中で踊ってるよ。



感覚は言葉にしないとすぐ逃げてくから仕方ないね。
だからほら、この文字列の中で踊ってる私の断片、掴まえて抱きしめて欲しい。

ただこの文字列の中の私に、肉体はない。