【宿】湯河原元湯 光陽館

皆様「どこか遠くへ行きたい」と、大なり小なり「失踪願望」をお持ちではないでしょうか……。
ということで、週末失踪記。極私的に惹かれたお宿や旅先のことを紹介したいと思います。

湯河原元湯 光陽館

コトミ的週末失踪記の記念すべき第一回目は「湯河原元湯 光陽館」です。
JR東京駅・横浜駅から約1時間、JR湯河原駅に降り立ちまして、そこから3キロくらい(バスだと15分230円)のところにある素泊まりの温泉旅館です。

宿に向かう経路

湯河原駅からゆるやかに坂道をのぼり、明店街(めいてんがい)・理想郷・道中と、昭和末期のロードムービーに出てきそうな名前の停留所を通過。
特に「理想郷」だなんて、ここまで人間の願望をストレートに吐露する停留所名もそうそうなく、窓の外の眺めも味わい深い。
と、そんなこんな浸っているうち、千歳川と並走する県道で浮世から遠ざかり、今宵の最寄停留所は「温泉場中央」という名前で、本当にそのまんま。

そして川の向こう側に見えるのが「湯河原元湯 光陽館」さん。

蛇行する川に沿い、緩くカーブを描きながら立つ佇まいが艶めかしい。面が一直線ではないところに自然に寄り添う姿勢を感じる。
建てた当初はもっとギラギラしていたのかもしれないけれど、くたびれ方にも「往年の湯河原」を感じさせて、なんだかとてもいい予感がする。

室内


まだギリギリ明るい時間だったので、陰影を意識して一枚。
この宿は全ての部屋が川に面していて、日没近い時間は、西向きの窓から広縁越しの弱りゆく外光が、まぶたに余韻を残しながら部屋に差し込んでいく。



翌朝、明るい中で撮った写真。10畳の和室に船底天井が醸し出す剛健さ。


それから細かい部分。
館内履きの下駄、室内のトイレが和式なところ、床柱付きの和室に、座椅子。

私が思う貧乏旅にはオーバースペックに感じてしまう部分もあるけれど、和式トイレとのプラマイで、何故かホッとしてしまうバランスも個人的に好きです。



露天風呂


女性は16時から18時半、男性19時から21時と入浴時間の限られている露天風呂。
時間の制約はありますが、特に露天風呂のお湯使いがシャキッとした浴後感でいいお湯でした。
アルカリ性、自家所有尾畑源泉を使用。

湯河原は基本的には湯温高めな温泉地(光陽館の源泉も84.1度)なのですが、すこし肌寒さのある日に「そうそう!この温度」と絶妙な湯温で、あつ湯好きに湯河原はもって来いです。

もちろん深夜帯でも入れる内湯もよいのですが、宿泊の際にはぜひ露天風呂に入っていただきたい。
この写真とは別の日、16時ちょうどくらいに入湯したら、露天風呂のお湯が6割ほどしか入っていない日もあったので「お湯の入れ替えも頻繁に行っているのだろうな」と思ったのですが、そのくらい惜しげもない湯づかいをする温泉。むしろ好きになりました。

館内を歩く


夜間のフロント周りを撮った一枚。(なんとなく好きな構図)
この鏡に映りこんでいる内湯に向かう階段だったり、本来の階層とは別に中2階のようなところがあったのですが、これは増築した部分との差なのだろうか。でも増築は旅館の華だと思っているので、むしろ見どころだと思っています。宿の接がれた部分を愛でています。



ワインレッドのじゅうたんが敷かれた廊下。
この宿の階段もめっけもんでした。金属と年季の入った木との組み合わせが良く、見下ろしても、曲がりをみても「ああいいな」と惚れ惚れする階段。
そして時代が止まっているかのような建物の中で、私はいま「どこの時代にいるのだろうか」と錯覚を憶えられることの素晴らしさ。

私の中で旅というものは、距離だけでなく、意識まで遠くに行きたい。という感情があるのですが、このお宿が持つ、味のある古めかしさは、意識としても遠くへ行けますね。

湯河原を歩く

横道にそれる

これらは夕飯を取るためのお店を探し歩いていた時に撮った写真たちです。

光陽館から出てすぐのところにあった湯畑。
奥では源泉を汲み上げるコンプレッサーが、地下に空気を送り込んでいる。涼しい夜だと湯けむりまで目視できる。
ここ湯河原から60kmほど南下したところにある、東伊豆町熱川温泉も「面積当たりの温泉やぐらの本数・日本一」ですが、灯りに照らされた温泉やぐらと、空に上がる熱。
町には観光資源としても活用していただきたい、説明書きがあれば尚いいのですが、単純に鉄と蒸気はカッコいい。


湯畑の坂をすこし上がったところにある廃美容室。
朽ちかけてはいるけれど、木製の扉や飾りたちに、いつの時代かわからないながら、朝ドラにでも出てきそうな、そんな時代の美容室跡。朽ち方より建物として、興味深く観察していた。


あくる日、美容室の坂を上がりながらの散歩。
川沿いから急坂の横道に吸い寄せられ、その途中にも他の旅館や廃旅館があり、これでもかと坂は続く。道が枝分かれするように、配管も分岐して、薄ら雨の中で坂を上る。
湯畑から空気圧で温泉水を押し出すコンプレッサーに負けないよう、筋肉を動かしながらずんずんと歩く。しかしそれでも「坂の中腹」が続いて、てっぺんがみえない。坂を上がる自動車も平地とは異なる音で走ってく。
と、そんなこんなしている間にも、雨の冷たさと擦り減る体力を感じ「いい加減」で引き返す。
けどそんな「いい加減」でも楽しめて、湯河原の横道は思いのほか楽しかった。

町中華に甘える(光玉)


それから湯河原に行ったら、バス通り沿いの町中華・光玉さんにも寄ってほしいです。
8席ほどの店内で、カウンター越しに調理を行うやさしいお母さんとお父さんがいる、昔ながらの町中華・光玉。


写真は光玉で食べた、神奈川のご当地麺、サンマーメン(あんかけモヤシラーメン)です。

見た感じでは「よくあるオーソドックスな味なのかな」と思わせつつ、いや違う。スープがおいしい。どこか品の良さ(野菜の旨味?)もあるけれど、動物性(鶏ガラ?)のコクも感じて、するすると食が進む。
そして町と料理の奥深さ。スープをひとさじ飲むごとに、湯河原の温泉で放出した水分と塩分がじんわり補われるのが体感としてわかるのも、またいい。

家庭的な雰囲気のある店内と合わせて、現代日本での都市生活における疲れが剥がれ落ちていくようなおいしさ。素泊まり温泉との相乗効果もあって、滋味深いんです。





湯河原の観光地

極私的な感覚?に偏らなくても楽しめそうな湯河原の見どころをいくつか挙げていきます。

万葉公園


湯河原の温泉街近くにある、遊歩道の整備された公園。
テルチェックアウト後の「もうひとブラブラ」にもいい感じ。

かつては軍人さんの療養地としても使われていたらしいけれど、敷地内には小さいながらも水量のある滝や川のせせらぎ、竹林に、季節で色付く草木が植えられており、全体的にオトナ向けな雰囲気。


それから湯河原の温泉はタヌキが見つけたものらしく、敷地内にはタヌキを祀った神社もある。東日本は狸よりも狐信仰の地だけに珍しい。


公園内は数年前に改装され、敷地内には「湯河原惣湯」という施設もある。施設にはお高めの日帰り温泉部門も!ひたすらオシャレ。
yugawarasoyu.jp


ちぼり湯河原スイーツファクトリー

駅から5分ほどの所にある、ちぼりのカフェとショップと工場を兼ねたお店。
ここの目玉はアウトレット品の直売と、クッキーの60分間食べ放題!ワンドリンク付きで550円(税別)!覚悟のあるヤツだけ、ひたすらクッキーに溺れられろ。
www.tivoli-factory.com


十二庵

湯河原に別荘を持つという、さくまあきら氏も絶賛のとうふ・生ゆば専門店。温泉地と駅に向かう間にある。駅からは歩いて20分ほど。
ご当地の美味しいものもたくさん登場する「桃太郎電鉄」の生みの親が地元民目線で美味しがる豆乳パフェ、確かに美味しかったです。




源泉上野屋と富士屋旅館

湯河原の老舗温泉宿たち。建物好きの目線もありますが、源泉上野屋と富士屋旅館もいつか機会あれば泊まってみたいです。

源泉上野屋は登録有形文化財かつ迷路旅館としての評判も多数。
迷路のような階段や意匠たちを取り上げた宿泊記も読んでいるだけでグッとくる。
gurutabi.gnavi.co.jp


富士屋旅館は湯河原温泉街の景観の中でも存在感がある。
それから復旧プロジェクトの記事を読むと「コレは一度実物見てみたいな」と思わず唸ってしまう。
www.homes.co.jp


おわりに

湯河原と私

「週末失踪記」と称しまして、極私的な旅と宿のはなしを書いてみました。
湯河原温泉 光陽館、初回が4月のまだ寒い時期、2回目が5月だったのですが、今度は万葉公園の紅葉が映える季節にまた行きたい!晩秋は湯河原に行こう!
(あと「湯河原惣湯」の施設内「惣湯テラス」にはサウナがあるそうで、サウナ趣味的にも気になる施設です)

それから、JR東海道線に乗ると、

  • 移住者多く、昔ながらな漁師町の町並みを活かす真鶴
  • 相模の小京都とも呼ばれる湯河原
  • 昭和のリゾート感が眩しい熱海

と、三駅が並んでいるのですが、真鶴~湯河原~熱海の三駅はそれぞれに見どころがあり、真鶴散策に湯河原の温泉を組み合わせてもオツだし、湯河原に泊まったあと、熱海の海沿いの喫茶店に寄ってから新幹線で帰ってもいいよね。と周遊しながら、フレキシブルに楽しめるのも魅力に思います。
(実際私も湯河原と真鶴、両方楽しみたくて、両方に目的地を持ちがちです)


でも湯河原の魅力、小京都と呼ばれつつ、不思議とどこか「味わい方の余白」を感じるところにも、面白みを感じています。


ショーケースの余白の中で、猫がこっち見てるくらいだし。
たまにいつか、余白を摂取したくなったら、また湯河原行くんだろうな。

町中で飲み干すペットボトル(日記)

週末は大船に行った。
大船では何も考えずにブラブラと歩いた。
アイスコーヒー飲みたいな。小銭が惜しいな。
でもだからって、コンビニで買った108円のお茶が、どうしようもなく美味しかった。

コンビニのPBコーナーに並んでいるルイボス茶。
すこしクセのある味だけれど、ほんのりと奥の方に発酵茶の甘みがあって、ゴクゴク飲んでも、ノンカフェインのやさしさが染み渡る。
そして、熱帯の夕にスコールが降り注ぎ、バラック小屋の軒先で雨をしのぐことを口実に仕事をサボってた時のような、有りもしない記憶が急に襲い、私は私を忘れる。



曇天、湿度の高い日。
じめっとした空気の中にもコンマ数パーセントで、南方の国々が混ざっていそうな日。
「アイレー」という名前の台風が週半ばにはやってくるそうで、私は「アイレ可愛や」という戦前の南方歌謡をちいさく口ずさんだ。

「♪ アイレ可愛や 村娘」

有りもしないスコールの記憶と、生まれるずっと前の南方歌謡と、町中で飲み干すペットボトル。

茶店には行かなかった。
ただ大船の町の奥まった所にある、ポルべニール書店の手前でルイボス茶を飲んでいた。

月報(2022年6月)

6/3 ハマスタ(DeNAvs楽天
6/4 友人宅へかき氷

6/10 鶴見散策
6/10-11 新習志野 湯~ねる
6/12 ZOZOマリン(ロッテvsDeNA)

6/17-18 茅ヶ崎 8HOTEL
6/18 いすゞプラザ見学

6/24 ハマスタ(DeNAvsカープ
6/25 Re:鶴見
6/29 横浜 SKYSPA

※6/3.19.24(1勝2敗)

  • サカナのつゆ

早かった梅雨と梅雨明け。
梅雨が明けても、再度梅雨が戻ったような雨が降る「戻り梅雨」なんて言葉もあるのですが「戻り梅雨って、追い鰹みたい」と職場で小ボケ吐いたら、延々と脱線し、話は高知からよさこいへ。ああ職場は踊る。

「梅雨時はイワシが美味しいんだよ。入梅いわし。産卵前で脂がのってて美味しいよ」と、これは有益情報なので頭のすみっこにでも置いてほしいけれど、イワシ。食べたくて仕方ない。

  • サウナの梅雨

引き続きサウナにハマっております。
サウナ趣味には、温泉・銭湯好きの2周目というか、今まで行った・存在は知っていたスーパー銭湯も「こういう味わい方があったのか……」と向き合えるのもいい。
サウナの愉しみ方を知るまでは、水風呂はただの水槽だし、ととのい椅子も「のぼせた人用?」「いや日焼けしたいの?」とイマイチピンときてなかった。
でも今はサウナ〜水風呂〜ととのい椅子の導線が整ってると嬉しいし、ととのい椅子の配置がいいとマジ飛べる。君すごいね、今までわかってなくてゴメン。君素晴らしいよ。

  • 野球の梅雨

思うことは色々あるけれど、今永昇太さんノーヒットノーランおめでとうございます!!!!!
現在の今永さんを見ているに「ハマスタのマウンドがあまり合ってない?」と気掛かりなところもあるのですが、開幕に間に合わなかかった分の遅れもこれから取り戻してほしいのと、チームとしても勝って!勝って!勝ちまくってほしいの!
夏に強い選手は夏に活躍して、暑さに弱い選手はご無理をせず……そして我々も夏バテには気を付けたいものです。


あとは、色々トピックスあるけれど、個別に書けるかな、描けないだろうな。
六月、また無事にひとつ年をとりました。
お祝いのメッセージ下さった方々もありがとうございます。言葉を交わすことで、存在を立体的に感じ、うれしくなりました。とりあえず生きます。

月報(2022年5月・湿度は友だち)

5/1 友人宅へタコパ
5/3-5 引きこもり
5/7-8 戸塚開発・藤沢

5/14-15 (弾丸江の島)・ガルフェス
5/17 万葉の湯で有休いたわり
5/21-22 サウナ・職場飲み会・サウナ・(Re:弾丸江の島)
5/27-29 Re:真鶴・湯河原

※ 5/7.8.24.31 ハマスタ(2勝2敗)



  • なじみの薄い近場

5月は戸塚・湘南・県西と「なじみの薄い近場」をブラブラすることが多かったです。

しかしコロナ渦以降、丸三年近く帰省していなかった私。
茅ヶ崎・真鶴・湯河原と、どこか潮風と懐かしさを感じる町の中で、ひょっとして私は「疑似帰省」をしているのではないかと思うこともありました。
ビーチサンダル履きですれ違う人のラフさがたまらない茅ヶ崎・海の見える高台からの眺めと自然の彩りに見惚れてしまう真鶴・温泉に浸りつつ飾り気のない町中華でスローを満喫する湯河原。
その部分部分に郷里を感じて、心地よくなる。

その心地よさ、快適な感覚って忘れずにいたいな。煮詰まりに煮詰まりを感じた時ほど忘れずにいたい。

だなんて、サウナのベンチの上でととのいながら、そんなことも考えたんです。



  • サウナはじめました。

温泉は子どものころから大好きだったけれど、この年にして、ついにサウナに開眼しました。
サウナに行くと、まずスマホをロッカーに入れるので、デジタルデトックスになっていいですね。
他、色々語りたいけれど、サウナは沼ですね。さわやかな口調でいうことでもないけれど、依存症にもなりそうですね。

「サウナ依存症」とフワッと浮かんだワードで検索かけると、作家の西村賢太さんも依存症級のサウナ通いで「ほどほどにしないと『サウナ廃人』になる」と警告していたそうですが、サウナ……ね。先人からの警告は肝に銘じます。



  • 野球と私(2022年5月)

野球は週イチペースで通ったことになるのかな。
現地観戦での勝敗は2勝2敗で五分五分。
でもなんとなく試合を見ている時に「ああココで打つなあ/打たれるなあ」の勘が当たるようになってきたので、そういう勘の当たる時は、モロモロが好転する気がします。
そしてこう、勘とか感覚の話だけれど、勘の当たる時は「濡れ手に粟」で回り出すし、濡れ粟タイム、いいじゃないですか。

近年の横浜DeNAベイスターズは、良くも悪くもエース格の今永昇太さんの調子に順位が連動してしまうチームだけれども、五月はエースがエースの投球をしているし、そこからもモロモロ調子づいていけば。






潮風を浴び、サウナに甘え、濡れ手には粟。
湿度は友だち、贔屓のチームはベイスターズ

青春18きっぷで横浜から岐阜まで

JR全線の普通車自由席1日乗り放題・青春18きっぷ。5枚つづり 12,050円 一日辺り2,410円
これを使い私は急遽、岐阜に向かった。

所要時間は6時間28分。半日?一日?がかりの移動だけれど、まあ構わない。
思い立ったが吉日だし、思い立ったら岐阜。
「ひたすら電車に乗り続ける」という優雅な苦行の中から、とっておきの車窓をいくつかお見せしよう。

サザンオールスターズ希望の轍」が発車ベルとして流れる茅ヶ崎駅を過ぎて、相模川の上より。向かう先に障害物がなく、景色が一気に開かれた爽快さ。
そして窓ガラス越しの緑がかった河川の色に不思議を感じつつ、この辺りから一気に旅を強く感じ出す。



これは小田原駅に停車中時に撮った写真ですが、駅員さんの放水とポカリスエットの広告、この異なる水流が一枚に収まってる気持ちよさ、いかがでしょう。偶然だけれど。
あと、小田原〜熱海間の本数は東京〜小田原に比べるとすこし少ないので、乗り換えによっては、小田原駅で一服するのもいいかと思います。


この先に見える橋は、大磯~小田原間を結び、国道一号線と並行して走る「西湘バイパス」というもので、このバイパス上から眺める相模湾も絶景なのですが、風景としての西湘バイパスもオツなものです。

  • 勢い任せの桜


そして海沿いの長閑な風景が始まり、点々とある山々、山々をくり抜いたトンネル、その出口には桜が咲き、春風と共に駆け抜ける我々。
シャッターチャンスなんて有無を言わせず、このブレがスピード感だから仕方ないね。
桜と旅が交わる刹那を可視化させるとこんな感じ。

  • 橙の実がなる樹々


真鶴・湯河原辺りは柑橘類の栽培も盛んで、それがこう車窓の美しさにも繋がっている。
特に真鶴は美の町として、町独特の「美の基準(美の町真鶴/真鶴町)」を持っており、各戸、実のなる木を植えることを推奨されているし、実際に歩いても美に溢れてる。また真鶴行きたい。

  • 湯河原・熱海の温泉地近く


それから湯河原〜熱海の温泉地らしい風景を眺めるのもいいですね。
湯河原は「相模の小京都」と呼ばれ、奥座敷感のあるしっぽりとした温泉街。あの桃鉄を作ったさくまあきら氏の別荘も湯河原にあるらしいのですが、日本中をたくさん回られたお方が別荘地として選んだ土地・湯河原。なんとなくわかる気もします。



一方長いトンネルを過ぎると、そこはもう熱海。同じ温泉地でも湯河原とは異なるリゾートめいた風景が広がり、



おやおやと熱海。





息抜きの途中下車に選んだのは熱海駅
駅前から昭和な賑わいの残り香がする、いい感じにフォトジェニックな町だ。そして飲食店もたくさん!
しかし小腹が空いていても、ロクに飲食店に居座れそうな時間が無く、結局ファミマで買ったコンビニおにぎりで小腹を満たした。
だけどレシートにはきちんと「静岡県」と打たれていて、少しテンション上がった。いま私は静岡県に税を納めた。






東海道線の熱海以西はひたすら長い。
熱海駅以降は約3時間、豊橋駅までロングシートに揺られることになる。18きっぷユーザーでもこの区間はだいぶしんどいと言う。
今回は割り切って読書に打ち込んでしまったし、時にはこの区間を完全に睡眠のための区間にしてしまうこともある。

でも時間に余裕があるのなら、静岡駅辺りで途中休憩を入れてもいいし(静岡駅は立ち食いそばの「チーズ蕎麦」が有名だったりする)、夕方の時間なら310円の乗車整理券を足すことで乗ることのできる通勤客向けに設定されたホームライナーに乗るのもいいと思う。






ただそんな18きっぷユーザー泣かせの静岡県内にも、いくつかお気に入りの車窓はあって


ここらへんは駅のホーム越しでもバッチリと富士山の見える駅で、途中下車せずとも「静岡県らしい風景」を拝むことができるのが、とても良いです。
富士山がそこにある日常風景が新鮮な上に、四月の真新しい制服着た女学生の初々しさもそこにあって、春ですね。

鉄道オタクみたいなことを言うと、吉原駅から岳南電車に乗りかえて、吉原本町周辺の町歩きや、工場群に向かう夜景列車もいいけれど、それは別の機会で。

  • 西に向かう時の夕暮れ


電車でウトウトしていると、現在地は時間ごとワープして、夕暮れを駆け抜けているんです。
懐中電灯で照らし出された影絵のような街は、まどろみのなかでは夢かもしれないけれど、座り過ぎた腰の痛みは現実なんです。


そして浜松駅を過ぎて弁天島駅の辺りの車窓も見逃さずに来てほしいです。
薄明かりの浜名湖湖上は幻想的で、電車はスーッと、水の上を走る。
他の乗客たちは恐らく何の感慨も抱かず、日常風景として電車に乗っているけれど、よそ者の私は「何という世界に来てしまったんだ」とも思いながら、車窓に食いついてばかり。






横浜を出て、ようやく5時間で愛知県は豊橋へ。


外は真っ暗だし、お腹も空いてきたけれど、新快速・大垣行き!ということで、本日の目的地の岐阜まではあと少し!







20:01 岐阜駅到着!


実のところ岐阜駅周辺の写真がない。
何故なら宿のチェックインが20時半までという決まりがあり、岐阜駅からお宿までタイムアタックのように移動したからだ。

一泊1900円〜という激安特価の代わりに、チェックイン時間に制約をかけて人件費を抑えたりと、特殊な経営をしている「ホテルウィークリー翔 岐阜」さん。
でも不思議とこの宿に嫌さはない。おもてなしは最低限だけれど、私にとっては「安宿に蓄積された、人さまの貧乏旅の匂い」すら、この宿のもてなしに感じる。

さあ荷物を整理して、早速夜の街に繰り出そうかと。

月報(2022年4月)

4/2-3  鴨川~太海~勝田台
4/8-10 岐阜柳ケ瀬~大阪
4/16-17  湯河原~真鶴
4/23-24 横浜市子安浜・国道駅~川崎
4/30 横浜市竹山団地~笹山団地

4月の月報です。
今月のお出かけ、ニッチさはあるけれど好きな人は絶対好きな感じのところばかりを巡りました。
記事のような体裁でお出かけを書く気力がロクに無く「意識の深い所に行きたくない。浅いところでピチャピチャ水遊びしてたいわ!」な調子が続いているのですが、おそらくしばらくこんな感じかな。
色んなことに背を向けたまま、人生逃げ切れたらいいのにな。

月報と計画性(2022年3月)

3/5 富士吉田
3/12 藤沢湘南台
3/18-21 高松直島岩黒島坂出
3/25夜 ワクチン接種
3/30 ニュー新橋ビルと江戸東京博物館

月報です。
毎週末、何かしらのトピックスありつつ、今はもうまとめる気力がないです。でも怒涛のインプット期間ですね。
色んなことをみてみたい、略して「ことみ」の勢いです。
お出かけ頻度とそれにまつわる知識の増強。それからお出かけを通したインプットをより良いものにするためのスケジューリングも、そこそこ入念に(当社比)。

特に香川はそう簡単には再訪できない土地なので、バスの乗り換えや徒歩での所要時間まで、みっちり検索!駆け足気味に回らねばならない土地に関しては見落とし少ないように予習もきっちりでした。
例えば、旅行に出る前から「朝うどんが食べたいので高松に宿を押さえている二日目の朝は早起きをする!でも見つけたうどん屋の近くには名建築があるので(docomomoを見て調べた)少し早起きしよう。そしてその建物の見どころも少し調べておくか」みたいな計画の立て方です。

その旅の中で起きたアレコレの話はまた後日まとめるかもしれませんが、新境地の見える、いい旅でしたよ。


それから、最近ものを書くことに行き詰っていたのだけれど、よくよく考えると、私は旅も書き物も、即興に偏りがちというか、まずは感覚と勘に身を委ねたい。と純粋さ?野性味?を重視し過ぎているんじゃないかと思ったんです。

(注・平常時の私の旅は、行き先に困ったら「ん〜〜〜、まあ飲み屋のカウンターで聞けばいいか」「ってか、翌朝、酔い潰れて寝坊したら元も無いけどね」みたいなノリが多いです)

でも即興重視の中での行き詰まり感は多少なりあって、そんな時に以前どこぞの歌舞伎俳優さんの語っていた「型あってこその型破り」という言葉が頭をよぎったんです。
そして「今の私は形なしかもしれないな」と思いながら、ならば旅に対する「型」みたいなものを意識したらどうなるのだろうかと。
普段は旅に対し無計画ですが、今回は先人の体験を取り入れ、対象に対し、事前知識を取り入れる行いを含めた「計画性」を大事にして動くと何が見えるのだろうか。と、珍しく裏テーマのある旅をしておりました。



あと今回の月報は「旅の計画性と文字を書く時の計画性」という裏テーマで月報を書いておりますが、私にしては珍しく計画性を持ちながら文章を書いています。
不思議な調子かもしれませんが、色々試してみたいものですね。